My Stuff 平成十八年 皐月 ■2006/05/01 月 歩いているとなんだか暑い。動いているからではなく、暑い。昼は25度を越えていた。 連休に入って仕事は一段落、とはいえこちら今年は暦どおり出勤。それでも5連休なので、3日からは東北攻めをしようと思っていた。昨日は本屋に行ってその辺りの旅行情報誌を立ち読みしていたら、気を引かれたのが「喜多方ラーメン」。じゃあ今回の連休は「喜多方ラーメン」を食べに行こう! と気合を入れていた。のだけど。 そこで今日聞いたのが「明日からガソリン値上げ」のニュース。1リットル130円を超える値段になる。134円として予定していたキロ数で計算すると…高いラーメンになるな。そこで追い討ちをかけるように、「東北はいまちょうど桜の時期だから、凄いよ」という地元出身者からの情報。なんか、急にテンションが下がった。 そうだ。今連休は近場の開拓でもするか。 海へいこう。 ■2006/05/02 火 昨日から一転肌寒い一日。朝から雷で終日雨。海へ行くなら釣り道具、と、夜に部屋で道具を整理する。まだこちらで釣りをしたことがないので、道具は全て北海道仕様のままだ。どこか漁港でも行ってテトラの間に落としてみよう。何かいるべぇ。あとは地元の釣り人の見物でもしていればいい。 などと釣り道具を準備していたら地震。最近続いている。今のところ津波の発生はないけれど、大抵地震の前後には魚も釣れないし、海もどうかなぁ、とふと思う。何か今回の連休は、動こうとする度に釘を刺されているような気がしてならない。 今日は早く寝て、朝は早起きするつもりだった。 けれど、何か乗らない。こういう時、既に予定が立っていて予定に従って行動してしまうと、あまりいいことが起こらない気がする。でも、自分には幸い予定がない。明日一日、おとなしくしてみようか。 ■2006/05/03 水 ご近所探検隊 殆ど通勤路しか歩いたことのないこの一帯を歩き回ってきた。裏山を登ってゆく道があったので、林道のような道をずーっと登ってみる。途中から細道、やがて道もあやしくなって、植林された針葉樹林の樹々の間を歩いてゆく。途中立ち止って前後左右を見る。植林された森は樹々が整然と並んでいるので、どちらを見ても木は同じ配列。ちょっと危ないな、と思って、靴底で地面に印を刻みながら進む。そうして頂らしい所までたどりつく。けれど、そこも樹々が生い茂っていて見晴らしは全くよくなかった。あとは一気に駆け下りて探検終わり。 途中、山芋を掘ったらしい穴がいくつかあったけれど、特に食べられそうな…というか、自分が判る山菜の類は無かった。けれど、鹿のものらしい足跡はいっぱいあった。あと、地面の地表近くを何かが掘り進んだような跡を幾つか見つけたのだけど、あれはなんなのだろう。ひょっとしたらモグラという生き物が掘った跡なのだろうか。 にしても、おとなしくしているつもりで相当歩いた。 ■2006/05/04 木 1年を振り返るといつも、大型連休の初日にここを離れて、最終日近くに戻ってくるというパターンだったので、実は大型連休をここで過ごすのは今年が初めてだ。この辺り一帯は超一流の観光地が揃っているだけあって、とにかく人、車が凄い。こんなに凄いとは思わなかった、というくらい凄い。朝一番に窓を開けると外に見える道路に車がずらーっ。自分の部屋の窓から渋滞を見たのは産まれてはじめてだ。そして、この建物の敷地内にも「裏道」目当ての色んなナンバーの車がどんどん進入してくる。後で知ったのだが、近くで大きなイベントがあったらしい。 と、自分はあまり「裏道」というのが好きではない。いや、俗に「裏道」というのは自分もよく使うのだけど、自分が好きではないのは「裏道自慢」と、あと何と言うのだろう。渋滞から裏道に入った車の走りっぷり、というか何と言うか。とにかく、急ぎたがる人、というのが自分は苦手で、そういう車に後ろにつかれて渋滞の時よりイライラすることがしばしばある。 さすがに家の前から渋滞していると出歩く気にならず。車のナビもかしこくて、道路情報を仕入れて周辺の渋滞状況を赤く点滅するラインで知らせてくれるのだけど、それも良し悪しで、試しに点けてみると周りのあちこちがピカピカ点滅。出る前に出る気をなくす。 結局、朝夕と部屋から見える道路は渋滞で、夜の8時頃にようやくおさまる。それからこそこそと出発し、箱根峠の辺りから街の夜景を見下ろしてタバコを一本吸って帰ってきた。 実家から連絡があり、実家でまとめて契約している自動車保険が切れている、と教えられる。いつも更新は担当者まかせだったのだが、担当者が替わったということで、更新手続きに伺うのを忘れてました、ということ。自分も更新は実家まかせで、更新が済み次第証券のみが送られてきていたのだけど、そういえばまだ来ていなかった。電話があって改めて旧証券を見たら、先月末で切れている。まぁ確かに普段は見ないけれど、ぬかった。こういうことは自分でちゃんと確認しておかなければ。 そこで、今連休、色々と気乗りせずに遠出をしなかったことを思ってホッとする。 ひょっとしたら、こういう予感もあったのかも知れない。 ■2006/05/05 金 ガソリンを給油。131円は人生最高の金額だ。ついでに、続いた黄砂で汚れた車を機械で水洗いしてもらう。洗い上がって晴天下の自分の車を見ると、ボディは綺麗になったけれど、偏光グラス越しに見たフロントガラスには油膜がぎっしり。最近ワイパーの水はけも悪くなっていて、雨天の夜間走行では視界がきかなくなっていた。久しぶりにガラス磨きでもするか、と、その足でお店に寄り、ガラス用のコンパウンドを買う。そうすると他にも色々と、いつか時間がある時にやろうと思って保留していた事を思い出す。石はねでポチッと円形に塗装が剥がれた個所の補修。車と同じ色の補修ペンを買う。ついでだからワックスがけもしよう。ワックスも買う。 そして、帰ってからまずガラス磨き。そしてワックスがけ。ワックスが乾くまでの間に、ボンネットの塗装の補修。それからワックスの拭き取り。そうしていたら、助手席のドアの内側部分の金属部分、その一番下の一部にドアそのものの腐食を発見。3センチほどの長さで完全に錆付いており、内部に侵食が進んでいる状態。これは虫歯のようなもので、放っておくと侵食がどんどん進み、ドアの外部にも達してしまうかも知れない。そこも補修することにした。 けれど、これが結構大変なのだ。まず、ヤスリやらハンマーやらペンチやらを使って錆を全て落とす。その周囲の外板も削り取る。本当はグラインダーを使ってビーンとやるのだけど、さすがに自宅には無いのでガリガリトントンとやる。そうすると小指くらいの穴が空いた状態になる。このままだとまた腐食が始まるので、そこにパテを詰める。 パテは前の部屋で水道管の水漏れの補修に使った耐水性のパテの残りがあったので、それを練って詰める。これが乾くのには丸一日かかるのだけど、乾燥はまたずに成型して、先ほど使った補修ペンで色を塗る。 と書くとすぐなのだけど、実際にはこの一連の作業で午後一杯かかった。 地べたに這いつくばるような低い位置で作業していたので体中が凝り、作業を終えてイタタタ…とせ伸びをしたらもう夕暮れだった。 ■2006/05/06 土 こちらへ来て初の釣行。といってもどこへ行ったら何がいるのかさっぱり判らないので、取り合えず海に出て、海岸線を走る。まず港がひとつ。外防波堤にテトラポット、隣接して割と大きな川の河口。ここなら鮭釣りには最適ですなぁ…と、いやいや。潮はだらだら、風は海から陸に向って強風。時間は真昼間。釣り人はいるが港内で小アジのような魚や金魚みたいな色の魚を、網籠の付いた仕掛けで釣っている。まず一箇所チェック。 付近に漁港があるので、次はそちらに向う。伊豆半島に向う道路ですぐに渋滞。しばらくかかって漁港着。陸から沖に向ってT字形の防波堤を持つ、見たことがないタイプの漁港。外界側にテトラを持たない防波堤。外海側に投げ釣りの人がちらほらいたけれど、こちらも強い向かい風で殆ど釣りになっていない様子。港内は先と同じく家族連れが小さい魚を釣っている。 防波堤先端でルアーを投げている人がいた。投げて、しゃくり、しゃくり、という釣り方をしている。近くで見ると、投げているルアーが珍しい形をしている。海老のような形で、付いている針はイカ針のようなもの。これはエギというのだそうで、「アオリイカ」を釣るための疑似餌なのだそう。ただ、そのイカが釣れるのは夜なので、ただ投げてみているだけ、らしい。 結局はそれぞれの場所で、針を付けないルアーを投げたり、底まで沈めて水深や根があるかどうか突付いてみたり、それだけやって釣りはせずに夕方前に帰ってきた。ざっと見た感じ、自分が持参してきた道具はこちらで見た道具に比べると、規格がひとまわり大きいようだ(アブラコ40センチ超のサイズをテトラの隙間からゴボウ抜きすることだけを想定した仕掛けと鮭釣り用の道具なので)。ただ、ソイ釣り用の道具はそのまま使えそうな感じなので、今度夜釣りに来てみようと思う。 と、せっかく昨日ワックスがけしたのに、ピカピカだったのは1日だけで、あっという間に塩まみれになってしまった。だから錆びるんだよな。 ■2006/05/12 金 2月に定期貯金が満期になっていた(2月の日記参照)のを、すっかり忘れていた。それを思い出して、今日やっと窓口へ行って解約&再貯金してきた。3年前に預けたっきりだった通帳にようやく次の行が記帳されて、窓口の人が「確認して下さい」というので確認する。見てびっくり。こんなに増えるものなのか。所得税差っ引かれても1月の手取り以上あるわ…。 というより、貯金して残高が増えたのは今回が初めてかも知れない。もう最近の貯金は、一度手数料をとられたらもう取り返すことは不可能、なのだと思っていた。ああでもこれでこれまでの手数料分取り返したわ。プチ幸せ。 ただ、惜しいのは。とっくに満期になっていたのだから、もっと早く窓口に行って再貯金してくればよかった、ということ。今日預けたのだから、次の満期は3年後の今日。つまり3年後の連休明けしばらくたってから満期である。せめて連休前にしておけばよかった! そうしたら3年後のゴールデンウィーク直前に満期で豪遊できたのに。 ■2006/05/13 土 雨のち晴天。外でタイヤ交換をしている同僚をもうひとりと冷やかしていたら、駐車場の縁石の上に15センチくらいのカナヘビ(通称カナチョロ)を見つけたので、そーっと手を伸ばして、ぱっと胴を押さえて捕まえる。上手く捕まえた。自分の手よりカナチョロの反応が早いと、尻尾を押さえてしまって尻尾を切ってしまう。でも、先に胴体の方を押さえると尻尾はそのまま捕まえられる。まぁたまに、本体の方が捕まっているのに尻尾を切って、尻尾だけ逃げ延びてしまうカナチョロくんもいるのだけど。 捕まえてもどうするわけでもなく、ふと見るとタイヤにかがみこむ同僚のうなじ。そこにぱかっと空いた襟口。くっくっくっ。ここにコイツ入れたら面白いだろうねぇ…。などと、二人で真剣に作業中の同僚をからかう。その内にふと緩んだ指の間からカナチョロが逃げる。そして地面に落ちたカナチョロが、最初に逃げ込んだのが自分の靴の下。頭だけ靴のつま先と地面の間に突っ込んで、尻尾と後ろ足だけ覗いているその姿が、自分で踏まれに行ったようで可笑しくて、げらげらと笑う。 「…作業の、邪魔」 ご、ごめんなさい。 ■2006/05/14 日 町内会活動で住居周辺の清掃作業。ひと仕事終えて建物の脇を歩いていたら、散水槽の蛇口の下の水溜りにカゲロウみたいな羽虫が落ちてばたばたしていたので、指につかまらせて拾い上げて、そのまま手の甲の上を這ってくるのを、右手、左手、右手、と渡らせて遊んでいたら、同じ所に住んでいる職場の女の子ふたりにその姿を見られてけらけらと笑われる。苦笑い。その上、黒のツナギ(作業服)を着ている自分を見て「ツナギ姿、格好いいですねー」 それは誉めてるのか。 まぁいい。でも、「背中に龍の絵入ってたり…」とか言わないように。 ■2006/05/24 水 少し早く帰れるようになってきたので、帰ってからご飯をといで、しばらく部屋の中で柔軟して、それから炊飯器(以前壊れていたのを修理した)のスイッチを入れて、焚けるまでの時間外で駆け足をしている。すると先日の夜、その姿を上司に発見された。そして今日捕まる。いやーお前が駆け足しているとは思わなかったわ。そうは見えないもんなーわはは。などと。 でも、「そうは見えない」と言われたのが何だかもの凄く新鮮だった。 今度、機会あったらぶっちぎりますね。 ■2006/05/26 金 昨夜は雷雨。朝になって見たら、富士山が中腹まで真っ白になっていた。 やきとり屋へ行ってふと思う。やきとり、って言ったら、鳥が出てくるんだよな。うん。普通はそうなんだよな。改めて思う。これが普通なんだよな。 何を馬鹿なことを、と思うかも知れない。けれど自分の故郷では、やきとり、というのは鶏肉の間に長ネギが刺さったのではなく、豚肉の間に玉ネギが刺さったもののことを言う。だから、やきとり、と頼むと豚肉が出てきて、ちゃんと「トリ!」と頼まないと鶏肉は出てこない。まぁこれは地元のごく一部地域での話なのだが。それでもあたりまえに「やきとり」=「豚肉」だったので、故郷を離れたばかりの頃はちょっとカルチャーショックだった。もちろん、他の地域の人が自分の故郷のやきとり屋に入った時の方が相当ショックを受けると思うが。 |